戦利品
牛乳を飲んでいる途中 下から頭突きをくらい、顔が牛乳まみれになったアラフォーの朝。
頭突きは毎日の事なので構わないが、困るのは食事の支度。
その間もずっと「遊びませう」と要求するも、飢餓状態のわたくしがかまう訳もなく常に無視され続けるはめになる。
そうすると、抗議の猛ダッシュが開始される
どどどどどどどどど…
「んきぃぃぃぃーー!」
どどどどどどどどどっ…
(あんたは猿かぃ)
どどどどどどどどどど…
「んきゃっーー!」
どどどどどどどどどどどど…
(んきゃーって人聞きの悪い。)
どたどた 「んぎゃっ」 どどどどどど…
しゃっ! どどっ しゃしゃっ! どどどど…
(…なにか 転がして遊んでいる模様)
・
・
・
「んきゃぎゃぁーーー!」
どこっどこっどこっどこっどこっ!
どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど
タマさんは興奮すると 馬のごとく走りまわる。
だが、この日は当社比3倍の勢いであった。
(どげんしたと?)
猛ダッシュでつっこんできたタマさんを抱き上げて顔をみる。
鼻が真っ赤。 相当興奮している模様。
(何をおもちゃにしてたのだ? 隙間に入ってグレてるのか?)
ふと床を見ると こげ茶っぽい平たいものがある。
(また、段ボールかなんかかじくって おもちゃにしてたんかい)
と、タマさんをおろしそいつを手にとった。
「んぎゃわああああああっ!!」
注)敢えて言うが、タマさんではない
それは干からびた昆虫
昆虫類の外が硬くて中がやわらかいのが大きらいなのに、そのぱきぱきの本体を普通に手にとってしまった衝撃は大きい。
が、すぐ気を取り直してゴミ箱にお隠れいただいた。
…
タマさんが手にかけたわけではなく、どこかで自ら命を落としたカレをひっぱりだしてきたのであろう。
……ん??
て、手が臭い…こいつは、カメムシではないかっ…
何度も手を洗うがやはい臭い…
(タマさん… おもちゃにしたものの臭くて暴れてたんかい…)
タマさんの顔の前に手をかざしてみる。
しばらく口をあけたままだった。