残骸
とうとう日の出時刻に起こされる事による寝不足に耐えかね、夜タマさんをケージに入れて寝ることに。
久しぶりの連続した睡眠を得ると共に、タマさんの活動エリア拡大に不安を覚えるお盆の朝。
毎日、毎日タマさんの毛はよく抜ける。よくぞ、つるっパゲにならないものだ。材料に事欠かないので、そのうち毛バリでも作ってみようかと思う。
そんな訳だから、外出から帰ると床は毛がいっぱいである。茶色い床に白い毛なので、よく目立つ。それほど(全く)神経質ではないわたくしでさえ、我慢の限界は3日。
その日も一度座ってしまうと、動くのがおっくうになるので帰ったその足で床にころころをかけていた。
なにやら、薄いちゃっこいものが転がっている。
敢えて見なかった事にして、ころころし続ける。
!!
またもや茶っこいペラペラが転がっている
無言で、ティッシュで片付ける。
!!!
ざぎざぎのついている黒光りした昆虫の足らしきものが一本…
(・・・)
(こ、これは… もはや疑いようがなひ…)
(留守中、タマさんはこやつと独りで格闘したのか??)
(か、かわいそうに… さぞかしびっくりしただろうに…)
・
・
・
ん?
「タマさん…」
んきゃっ ??
「ほ…本体は??」
んききぃ~ アソブ??
「胴体はいったいどうしたのだぁ~??」
それから、かなり念入りに部屋を探したのだが本体はでてこない。
(…ま、まさか)
タマさんを抱き上げ、顔を付き合わせたところで本人から聞けるわけもなく 何事もなかったように夜が更けていくのを感じながら密かに
(しばらくタマさんにチューするのはやめよう…)
と、心に決めたわたくしであった。