残骸~完結編
タマさんが退治したゴキ本体が発見できず、そら恐ろしい想像と共に一夜が明けた。 忘れようとしても忘れられず、起床するなりモーレツな勢いで掃除をしだしたわたくし…朝から猛暑の8月早朝。
我が家はタマさん仕様になっていないので、すきまだらけである。
タマさんが来た当初はテレビの下やらピアノの下に何度となくおもちゃが入り、その度にタマさんはテンションが下がり黄昏るし わたくしは這いつくばっておもちゃをとらねばならないしで、双方に不利益なので現在はダンボールやらでスキマを埋めてある。
が、この日は違った。久しぶりに色々な処(と、言ってもあくまで床エリア)に掃除機と雑巾がけをした。それでも、ヤツは出てこない。
(やはり、、腹の中なのだろうか…)
(きっちり消化されてウンコさんとして排出されるのだろうか…)
(訳のわからない菌に内臓が冒されたりしないのだろうか…)
などと考え、雑巾をおもちゃと間違え飛びついてくるタマさんとは裏腹に わたくしのテンションはだだ下がり
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「まっ…食っちまったもんは仕方がない」 諦めがすばらしく早いわたくしは ついでにタマさんのおトイレやらを水洗いする事にした。
(そうそう、ケージの板も一緒に洗ってしまおうかねぇ…)
と、ケージの一番下の板を取り外したところ…
出たっっ!!
やつの本体がっ!!
ぱきむにょ類の昆虫を発見して、これほどの喜びを感じたのは人生初である。
なにかをたぐり寄せた様な、なんとも言えない充実感を胸に おもわずにんまりした瞬間であった。